『月館の殺人(上)(佐々木倫子・綾辻行人)』

月館の殺人(上)


生まれて一度も鉄道に乗ったことがない沖縄の女子高生・空海。会った事がない祖父に会いに行くため、特別急行幻夜〉に乗ったら周りはテツばかり。
個人的に、綾辻作品のミステリ的凝り方は好きだけど、描写が苦手なことが多い(特に猟奇的なやつ)ので、とても期待していた企画なのです。多少は内容に触れますがあんまり差し支えないはず。っていうか最後以外ねたばれになるようなところがないような。


さて上巻にも伏線は埋め込まれているはずなのに、どうもすっかり佐々木倫子マンガになっている。空海の過去にはもちろん何かありそうで、そういうシーンはそこそこ暗いのだが、巷を賑わしている連続殺人が、乗客(テツたち)の知人ばかり(=テツ)とわかるあたりの能天気さといったら。踏み切り番長かあ。


かなり後半になって、やっとミステリらしくなってきたところで突然上巻は終わるのであった。結局それかよ!なるほど綾辻原作で間違いないようです。下巻すげー楽しみです。