次回の綾辻行人・有栖川有栖への挑戦状『安楽椅子探偵 ON AIR』解決編
遅くなりましたが、気になったポイント*1を確認してみましょう。
木 津 が あ の 空 間 に す ら い ま せ ん !
という意味ではかなり評価の下がる解決編ですが、おいといて*2。
総評としては、シリーズ内ではいい出来だったと思うんだけど、肝心なところでツメが甘くて勿体無いと思いました。
大筋は合っていましたが、マンション管理人の可能性までは書きませんでした。チョイ役が犯人だとそういうところまで論証が必要ということですね。この話は最後に続く。
かおりんが犯人だと、赤いコートの件は犯人特定には使われていない。
この話は大方予想通り。車の話は後述。ちょっとつまらないけどまあ、仕方ないか。
ルナが殺される前に霊視で「犯人は仮面をかぶっていた」件が、かおりんが犯人だとあんまり関係ない。
っていうか「仮面」自体が綺麗にスルーされました…
ルナが「一度聞いた声が必ずわかる」って結構超常現象。
超常現象でした。
まあ、衣笠が風邪をまだひいているとか、ディレクターは声を聞いてないんじゃないかとか、考察はあったからいいや。
免許証、結局どこにあるんですかねえ。
「当然車で向かいました」て飲酒運転をあっさり認める安楽椅子探偵。ここだけ随分雑だよねえ。「酒を飲んでいたから彼女が運転して移動はできなかったはず」というところから推理を組み立てた人もいるだろうし。
私はどちらかというと、再現映像が怪しいんだと思っていました。みやびが酒を飲んだかどうかは、友人烏丸の証言にかかっている。これが実は何か事情があって、本当は酔っ払ってないけどそういう風に言った、みたいな裏があるとか。結局、犯人を断定するキーとはならなそうなのであまり考えなかったけど。
で、これってみやびが酒を飲んでないとできない話なんだろうか。烏丸がただ送っていったとか、そもそもみやびの部屋に遊びに行って帰ったとかじゃ、ダメなのか?わざわざ「酒」という要素を持ち込んでスルーしたのがなんだかわからない。
あと車の話はもうひとつ気になることがあって、北山かおりが殺害後に、彼女の車を使ったことになるけど、駐車場で一台一台、鍵を頼りに探したのでしょうか。キーレスエントリーとはいえ、人に見つからなくてよかったものです。
個人的には、みやびの車を知っていた=みやびの知人である方が話はスムーズな気がしたけど。
結局免許出てきませんでしたね…
かおりんのアリバイありなしは出てこない。
これ、太秦のアリバイがなくなる直前の映像を元にしているのがちょっとなあ。その後劇団員全員のアリバイがない、というのは出題編では提示されてるといいがたい(解決編では刑事が「アリバイがある」と言ってる)。あの場面で映像に映っていてもアリバイにならないし。これも「太秦のアリバイはありません。他の劇団員達は全員朝まで飲んでましたが、太秦と連絡を取ったものはとくにいないようです」ぐらいのセリフを出題編ではさんでほしかった。
もし北山かおりが犯人なら、なぜ(劇団員:北山かおり)ぐらいテロップをださなかったのか。もちろん他の劇団員も合わせて。挑戦状じゃねえのかよと。
なるほど、納得いたしました。
これは、視聴者への挑戦状じゃないのです。
次回の自分達、綾辻・有栖川への挑戦状ってことですね!
登場人物としてテロップが出なくても犯人である。というルールなんだと明言しているわけです。つまり次回はどんな端役でも「あの清掃員は犯人じゃない」「あの通行人は犯人じゃない」と視聴者が納得できる論理的理由を必ず提示するということでしょう。
ただでさえハードル高いのに、向上心旺盛ですなあ。
今回も、ノートの表紙を見たかもしれない人物、名前がわかってないだけで結構いますよねえ。コピーしてるとき前を通る人とか、ロケ現場にいる人とか。
次回、吹雪の山荘だったりして。
その他
ヨーロッパ企画メンバの活躍がもう少し見たかったところですが、その辺をばっちり満たす新作公演があったのでよしとしよう。感想はまた明日。
*1:『安楽椅子探偵 ON AIR』解決編で確認したいところ http://d.hatena.ne.jp/saenishi/20060310/p1
*2:も今回なかったっけ。寂しい