『神はサイコロを振らない』
先日最終回を迎えました。面白く見ていたんだけど、ラストはあんまり好みじゃないかも。
とはいえ小林聡美がすごい。ある程度期待値が高かったものの、その本領を思い知らされる。
話の設定は面白いながらも、一緒にいられる時間が短いという設定が、下手をするとひどくベタになる危険性を実ははらんでいる。が、小林聡美が中心にいるだけでその危なさがない。しなやかで小気味よく、少しシニカルな人物造詣は彼女がもともと得意とするところで、そこは想像の範疇でもある。でも、恋人(あるいは元恋人)を見つめる顔があんなに可愛いとは思いませんでしたよ。
あんな「おかえりなさい」が他のどんな女優に言えるだろうか。
他のキャストも手堅い。事故機に乗り合わせた乗客たち、遺族、東洋航空のスタッフも。
ただ、登場人物が多いわりには9話しかないせいか、ちょっと生かしきれなかった気がする部分も。それぞれ、浅くしか描けない。一番妥当なボリュームだったのは教師と10年前の教え子の邂逅ぐらいでしょうか。
片桐仁が完全に子役に飲まれているのは、面白いっちゃ面白いけど今後どうなのか。というかあの子供面白いなあ。
山本太郎は、この役を他の人が演じたら、という想定ができないくらいはまっていた。小林聡美演じる黛ヤス子にぶつけるキャラクタとしてすごくよくできていた。
ともさかりえは立ち位置がよくわからない。特に旬の人ではない気がするし、演技派というわけではない気がするし。事務所がたまたま何がアレなのでしょうか。
あと特筆すべきこととしてはピアニスト瑠璃子役の成海璃子がすごく可愛い。彼女周りのエピソードもよかったなあ。もう少し見たかったけど。
ラストは、大筋のやり方はそういう方針なんだからそれでいいんだけど、ヤス子に変化があったのだというエピソードがない(あるいはささやかすぎる)のがちょっとつらかったなあ。