『古畑任三郎FINAL 第2夜「フェアな殺人者」』(演出:河野圭太 脚本:三谷幸喜 出演:イチロー)

 第3夜「ラストダンス」についてはまた明日。どうせ長くなるし。面白かったし魅了されたが惜しいところもあったなあ。

 全般的にゆるーい感じですが、最初に怪しいと気づいた理由は面白かった。あと昨日も書いたけど、イチローは頑張っていたと思います。古畑との野球のシーンやそのあとのやりとりがよかった。
以下ねたばれです。




 まず、一番エキサイティングだったのは殺人のシーンだったのに、スルーされたのがとても悲しいんですが。シロップ入りカプセルとストリキニーネ(!)入りカプセルを用意して選ばせるところは全然説明がなかったけど、おそらく「フェアプレイ」の一環としてチャンスを与えるってことだったのだと思います。しかしフェアプレイというより、ゲーム好き、のような気が。運にしか頼れないからどっちかというとギャンブルだし。(ネタばれ→)それに、いくらなんでも自分がもう片方口に入れるのは危険すぎるのでは。だから何かトリックがあったなら面白かっただろうし、なくても気のきいた言い訳ぐらい聞きたかった。ところでシロップ入れる必要なかった気がするんだけど。おいしいから?(←ネタばれ)

 (ネタばれ→)向島と兄弟(←ネタばれ)ってのは笑いました。さすがファイナル。でもどうせ身内ネタを使うなら、トリックで使ってほしかったな。犯罪の現場にいた元警官の警備員、しかも準レギュラーなんてすごい盲点になりそうなのに。

 「嘘をつかない」犯人はシスター沢口靖子の前例があり(情報提供:相方)*1、「フェア」は一味変えようとしたのもあるのかもしれませんが、公明正大なキャラにするはずが、たいそう挑戦的、好戦的なキャラになってしまったような気がする。ちぐはぐに感じたのが(ネタばれ→)「兄を守るためなら、嘘がつける」のに、強請り相手に毒薬を飲むかチャンスを与え、警察にも手がかりになるマッチ箱を与えるところ。(←ネタばれ)「フェア」なら、衆人監視のもとでの殺人、とかでもよかったような。ともあれ、変なキャラ造詣だなあ。ビッグネーム・イチローを尊重しすぎてしまったのか。古畑の解決編直前のお約束シーンも、実際のイチローは犯罪者ではありませんとか、番組最後にテロップ出せばいいようなことしか言わないし。