扉は閉ざされたまま（石持浅海）

学生時代の仲間が集った成城の高級ペンションで、後輩を殺害した主人公。巧妙に殺害現場を密室に仕立てたが、仲間のひとりである優佳が疑問を抱き、計画犯罪のほころびを追求し始める。

やや内容に触れます。

ガチガチの本格ミステリ具合に好感が持てるし、推理する楽しさが味わえる作品。ただフェアに丁寧に書いてくれる分（ネタばれ→）意外性が少なすぎる。最後まで引っ張るネタにしては地味すぎる（←ネタばれ）というか。ただ逆に、その可能性に気がついていなかった人がいたなら、その（ネタばれ→）些細さが返って効果的（←ネタばれ）なのかもしれない。
あと（ネタばれ→）他の登場人物が、結構早めに犯人候補から消えてしまうのがちょっと残念だったかも。もう少し紛らわしい過去のエピソードとか（←ネタばれ）あってもよいのに。