『館島(東川篤哉)』

館島

 天才建築家・十文字一臣は自ら建てた館の螺旋階段で死んでいた。死因は転落死ではなく墜落死だという。半年後、再び事件関係者が集められたその日、新たな連続殺人が。


 たまたま遠い親戚だった刑事、そしてやはりたまたま親戚だった女探偵が事件に挑むのだが、いやーマンガっぽいねー。ちょっとベタすぎるけど読みやすいのはいいことだ。
 トリック自体は、途中で想像ついてしまう人多数だと思うけど、こんなにトンデモな設定なのに、理由付けがしっかりなされていて面白い。社会派要素まで盛り込んであるのにこんなに収まりが良いのが不思議。パーツは派手なんだけど、構成が上品というか。


現実的にどうなのかとかは置いておいて、天才建築家の発想としてはなかなかリアルな気もします。ラブリーな設計。行ってみたい。


 ノリとしてははやみねかおる夢水清志郎シリーズがきわめて近い気がするので、夢水シリーズが好きな人にはお勧めです。