『運命のチェスボード(ルース・レンデル)』
本格だけど、それほど驚きの場面がない(冒頭でヒントを出しすぎでしょう)。のだけど、ところどころ場面が印象に残る。これは映像化もよさそう。
ちなみにタイトルの「チェスボード」は警察署の床のタイルがいちまつである以外に関係がないような気がするのだが。どうなんだろう。
真相を究明していく過程を無理やりチェスにたとえることぐらいはできそうだけど、それだと大抵の物語がそうではないかと思ったり。
解説で紹介されている作者本人の弁のとおり、クリスティよりもリアルで深みのある人間描写だと思う。視点となる人物が変わるごとに、それぞれの世界が展開される様がみごと。
ただ、女性のキャラクタ造詣は、クリスティっぽい気がすると感じたのは、彼女らは視点にならないからかな。刑事じゃないから。
個人的にはバーデンが楽しいなあ。あとあの人物はこのあとどうなるんだろ。
シリーズものとしての興味はあるけど、なかなか読む機会がないなあ。
どうしても文庫本な時のストックになっているので、またいつか。