『レディ・キラーズ』(監督脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン/出演:トム・ハンクス他)

 監督のコーエン兄弟トム・ハンクスとタッグを組んだクライム・コメディ。
 「教授」と称する男が善良なキリスト教徒マンソン夫人の家に住み込み、仲間と楽器の練習をするため地下室を借りることに。彼らの目的は、地下室を掘り進むと着き当たるはずのカジノ倉庫。しかし…。

 と、率直に言ってすごーくスタンダードなお話。展開はだいたい予想通りというか期待通りというか。それでも(あるいはその分?)映像がコーエン兄弟らしくて印象に残る。小さなシーンを繰り返すのは彼らが好む手法だけど、今回のは、ゴミの山へ向かう運搬船。ゆったりと流れるゴミの船と、河口に浮かぶゴミの山をこんなに味わい深く映すのはさすがだなあと思う。実際にあの橋に行ったら悪臭で逃げ出したくなりそうな気がするけど。
 キリスト教国の人むけなネタ(というか風刺)も結構あって全部はわからなかった気がするんだけど、キリスト教について普段「そのエピソードはちょっといかがなものか」と思う部分に抵触していたのでなんとなく共感。
 レディは格が違うねえ。
 ゴスペルのシーンはなかなか見ごたえがあった。エンディングをお楽しみに。