『夜は短し歩けよ乙女』(森見 登美彦)

主人公は森見作品いつもどおりな感じの、妄想ロマンチック男子大学生。思いを寄せる女子は「黒髪の乙女」な後輩。夜の先斗町に酔い、下鴨神社の古本市で火鍋に耐え、学園祭で偏屈王の謎に迫る。

あの羽貫さん、樋口さんをはじめ、けったいな方々が暗躍しまくりで、京都は異世界の扉だらけ。

思いを寄せられる彼女は、主人公のような古風な好みの男子たちにいかにも憧れられそうな、多分ちょっと垢抜けない、でもそこがたまらなく魅力的な天然女子。
少年マンガとか読んでると、そんな都合のいい女子いねえよ!と思うことが同性としては結構ある。でもこの彼女、もちろん類まれなる妄想の産物ではあるんだけど、これがねえ、ぎりぎり、いると思う。います。
そこがすごいと思った。
多分お酒強いんだよねえ(結局妄想気味)。

今、あんまりじっくり本を読む時間が取れないので、これも断続的な読書ではあるんだけど、先斗町あたりはじっとりと幻想の世界に浸れました。