『古畑任三郎FINAL 第1夜「今、蘇る死」』(演出:河野圭太 脚本:三谷幸喜 出演:石坂浩二、藤原竜也)

 面白かった。
 ラストに臨む気迫を感じましたね。これはあと二作が楽しみだ。
 何を書こうとしてもネタばれになりそうなので大変。以下ねたばれ。冒頭から出てくる描写は反転もしてないのでご注意を。


少なくとも今回の『古畑任三郎』はミステリです*1
 (ネタばれ→)ダブルキャストなので共犯かなと思ったら、天馬恭平(石坂浩二)は犯罪に関わっていないように描かれているとか、ラストでは石坂浩二と対決しそうだなとか、(←ネタばれ)余計なことからある程度の予想をしてしまったにも関わらず、存分に楽しめました。
 ちなみに、真犯人についてはWikipedia*2に意外な話が載っています。「スペシャル」の項。これは知らずに見てよかったかも。

 小説を模倣したような手口を最初からかなりオープンに視聴者に見せ付けるさまや、(ネタばれ→)堀部音弥(藤原)が古畑を悩ませる完全犯罪者のはずが、新社長として就任した会議ではアイデアを陳腐だと一蹴される(←ネタばれ)違和感がすごくよかった。(ネタばれ→)帰ろうとする叔母を引き止めて話をしている最中も、音弥自身は話をぜんぜん盛り上げず、そわそわしていてこれで完全犯罪者?と気になってしかたなかった。(←ネタばれ)
 こてこてパズラー的な雪密室や物理トリックをやるかと思えば、わらべ歌のとおりの崇りを覆してみたり(これは『トリック』みたいでしたが。おにぎりむらも)、盛りだくさんで豪華でした。
 (ネタばれ→)砂糖を水で溶かす(←ネタばれ)伏線はもう少し後ろまで引っ張ってもよかったような気がするし(いきなり味見はどうなのよ)、いくら逮捕されないからといっても天馬があっさり自供しすぎなのも気になりましたが、まああんまり早くしゃべり始めると驚きを減らしそうでもあり、まあ演出上の都合も多々あるのでしょう。面白かったのでなんか大らかな気持ちです。
 ところで(ネタばれ→)天馬は、音弥が手を汚した方の殺人は罪を問われないのだとしたら、最強の犯人(←ネタばれ)といえそうですが、前例ありそうな気も。
最後に、これを書いていて(ネタばれ→)タイトルがダブルミーニング(←ネタばれ)と気づきました。やるなあ。