『銀河ヒッチハイク・ガイド』

 宇宙でバイパスを通すために地球が爆破されることに。たまたま地球に来ていた宇宙人フォードの友人だった英国人アーサーは、フォードと一緒にヒッチハイクで宇宙船に乗り込むが、それは見目醜悪で冷淡で官僚的な宇宙人の船であった。


うーん面白かったー。


 冒頭は、地球で二番目に頭がよい生物イルカたちが(人類は三番目)地球滅亡を察知して宇宙に逃げ出すシーンからかっこいい。ミュージカル張りの華やかな曲に載せた辛らつな歌詞が素敵。
 最初に出会う宇宙人は醜悪で直視がきついのだが、その行動はチャーミング。詩をたしなんだりするし(ただし殺人的)、何かするときには提出書類がたくさん必要なのだ。
 その後出会う宇宙の大統領は地球人には普通はない特性があるが、地球人女性をめぐって主人公と三角関係になる様は特に普通だったりするのが巧妙。
 描かれる宇宙の様は非常にSF映画らしく、生き物達のあり方はそれぞれに自分勝手。
 あちこち冒険したあげくの結末もスマートだと思う。こういう変な要素がたくさんの映画は素人にはわかりにくいオチを用意しがちなのですが、この作品は大筋が非常にスタンダードでよろしい。


 なんといっても最後の工場が素敵で。そりゃあアレ作ったら自慢したくなるし賞も取るよなあ。


 ちなみにプログラムの表紙は「Don't Panic」。作中で出てくる「銀河ヒッチハイク・ガイド」と同じ表紙なのです。わかってるなあ。小さいけど内容は非常に充実していて素晴らしい。