『四月』(監督:オタール・イオセリアーニ)

作品の特性をよく知らないまま観たので、最初は誰の物語を追っているのだ?と混乱。話の筋が、自分が思っているとおりなのかよくわからないのが苦痛で、中篇なのにどっと疲れました。サイレント映画に人工的に音を載せているんだけど、これがものすごく耳に障る。物資は過剰に集めると本当はわずらわしいものである、と言いたいのかもしれないが、観ている間不愉快でしょうがないってのはちょっとどうなのか。
あと、カップルに干渉しているじいさんは、カップルに対してあんまり好感を持っていないように見えたのだが、終わってから外で雑誌記事を読んだら、二人の助けになろうとするが不器用で上手くいかない、みたいなキャラクタらしかったのだが、全然そうは思えなかった。
それでも、ディテールに意味のない面白さを持ってくる趣向はさすがで、場面のアクセントとして出てくる筋トレしている男の構図が面白かった。ちなみに、窓辺にいる人を外から眺める絵は監督のお気に入りらしく、次に観た最新作『月曜日に乾杯!』の方でも出てくる。
カップルの二人はいかにも一昔前の感じで、でもグルジアというよりはイタリア人っぽい感じがした。そういえば最初と最後のテロップに不思議な文字が並んでいたんだけど、あれはグルジア語?途中でカップルが喋り出した、と思ったけど字幕はでなかったので、あれはでたらめな言葉なのか。グルジア語、って言われたらそうなんだー、って思いそうだった。
後半はやっとノリがわかって、そこそこ楽しめたような気がするけど、『月曜日に乾杯!』の方がずっと好きだ。