『69 sixty nine』

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 期待通りの青春映画ではあるんだけど、青春映画×クドカンという相乗効果がもう少し出てもよかった気がする。とはいえ思えばクドカンって原作は大事にする人でしたね。で、脚本か監督かどちらの采配かわからないんだけど、どうもエピソードのキレが悪い。原作は読んでいないんだけど、多分もっといっぱいエピソードがあって、それを全部映画に押し込むことはできず、でもひとつに絞る事もできず、中途半端に収めちゃった気がする。学校のバリケード封鎖がメインというわけでもなく、フェスティバルでもなく(こっちの方が映画的に面白そうだったけどあんまり踏み込まずに終わった)多分、(ねたばれ→)みんなが賛同してくれた(←ねたばれ)あたりを山場にしているんだろうけど、なんだか、あとにして思えばあそこが頂上だったんだ、みたいな山登りでした。勿体無い。時代背景を印象付ける絵はいくつかあったんだけど、バックグラウンドの説明がそんなにないので、全然知らない人はピンとこないまま終わりそう。もしくは、原作をもっと破天荒に解釈したクドカン節バージョンを観てみたかった。青春映画にはもうちょっと笑わせてほしいと思う今日この頃。
 妻夫木は期待通り、自分のポジションをこなしていたけど、他の登場人物と比べてなまり方がこなれてなくてちょっと浮いていたような。でも今まで観た中では一番かっこよかった(というか実は彼が出ているドラマをあんまり観ていないのかも)。村上龍が過去にあの顔ってのはどうよ?というのはとりあえず置いておこう。安藤は高校生役は厳しくないか?と思っていたけど意外と良かった。レディ・ジェーン役の太田莉菜は妄想シーンだけの登場かと思ったら違うのね。他の子と違う雰囲気の可愛さが役にぴったりで、方言っぷりが一層美少女でした。彼女映画初挑戦らしいけど、これからいろいろ出そう。その他キャストは濃いぃ人がとても多かったのですが、みんな濃いので逆に個人が印象に残らなかったり。